経済

高市政権の経済政策についてgeminiと対話してみた

高市政権の経済政策でついてAIのGeminiと対話してみた。Geminiの方が文章が長いので対話というよりインタビューといった感じのものだが。
結果、現在、疑問に思っていたことがほとんど解消できた。AIもけっこうなことを答えられるものだ。

<>内が私の質問。他の文章がgeminiの回答。


<市政権の目指す拡張財政政策はリフレ、MMT、それとも別なものですか?それぞれの説明から教えて下さい>

高市政権が掲げる「責任ある積極財政(サナエノミクス)」は、結論から言えば**「リフレ派」の考え方をベースにしつつ、実務的には「高圧経済」の実現を目指すもの**と整理できます。

巷ではMMT(現代貨幣理論)と混同されることもありますが、高市氏はMMTを明確に否定しており、あくまで「投資による経済成長と、その結果としての財政再建」を目指す正統派の拡張財政スタンスです。

それぞれの違いと、高市政権の立ち位置を詳しく解説します。


1. 高市政権の「責任ある積極財政」とは

高市氏の政策は、単に「お金を配る」ことではなく、**「戦略的な投資」**に重点を置いています。

  • 考え方: 「財政赤字を減らすために増税や歳出削減をする(緊縮)」のではなく、「先に投資をして経済を成長させ、その結果として税収を増やし、対GDP比の債務を減らす(積極財政)」というロジックです。
  • 主な施策: 防衛、AI・半導体、エネルギー、防災などの「成長分野」への大規模な国費投入、およびガソリン税の暫定税率廃止などの減税。
  • 目標指標: プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化目標よりも、**「政府債務残高の対GDP比」**の低下を重視します。

2. リフレ、MMTとの比較

高市政権の政策が、一般的に言われる理論とどう違うのかを表にまとめました。

特徴リフレ派 (Reflation)MMT (現代貨幣理論)高市政権 (責任ある積極財政)
基本スタンス金融緩和と財政出動でデフレ脱却を目指す自国通貨建てなら政府は破綻しないと考える投資による供給力の強化と経済成長を重視
主な手段日銀による通貨発行・インフレ期待の操作無制限に近い財政支出(インフレが壁)戦略的分野への財政出動+金融緩和の維持
財政再建経済成長による税収増で達成インフレ率が許す限り支出を優先成長により対GDP債務比率を下げる
高市氏の距離感非常に近い(アベノミクスの継承・発展)否定的(「私はMMTではない」と明言)リフレ派を基盤とした「高圧経済」志向

リフレ(リフレ派)との関係

高市氏の顧問には、アベノミクスの理論的支柱であった本田悦朗氏などが名を連ねており、**アベノミクスをより財政出動寄りに強化した「リフレ派の進化形」**と言えます。

MMTとの違い

MMTは「インフレにならない限り、政府はいくらでも借金してよい」という極端な理論ですが、高市氏は**「無駄遣いはしない」「投資先を厳選する(責任ある)」**という姿勢を強調しており、財政の持続可能性を意識している点でMMTとは一線を画しています。


3. 「高圧経済(ハイプレッシャー・エコノミー)」という側面

高市政権の最大の特徴は、**「高圧経済」**を志向している点です。

  • 仕組み: 政府が積極的に演出し、需要を供給よりも少し上回る状態(人手不足やモノ不足)をあえて作ります。
  • 効果: 企業は「人手が足りないから賃金を上げよう」「設備が足りないから最新のAIを導入しよう」と投資を始めます。
  • 狙い: これにより、日本の弱点である「低い生産性」を投資によって強制的に引き上げ、持続的な経済成長を実現しようとしています。

まとめ

高市政権の政策は、「アベノミクス(リフレ派)」を土台に、より「供給力の強化と戦略投資」に踏み込んだ拡張財政です。MMTのような「借金し放題」という極論ではなく、「経済を大きくして借金を相対的に小さく見せる」という現実的な成長戦略を目指しています。

高市政権が具体的にどの分野にどれくらいの予算を投じようとしているのか、補正予算の内訳などについて詳しくお知りになりたいですか?

<高圧経済を実現するどうやって需要を向上させるのですか>

高圧経済(ハイプレッシャー・エコノミー)を実現するために、需要を「供給能力を上回るレベル」まで引き上げる具体的な手法は、主に以下の3つの柱で構成されます。

高市政権の文脈では、単に「お金を配る」だけでなく、**「将来の不安を解消し、企業が投資せざるを得ない状況を公的に作り出す」**というアプローチが強調されています。

1. 財政出動による「官需」の創出(呼び水効果)

政府が自ら巨大な買い手(需要家)となり、市場に強い引き合いを作ります。

  • 戦略的投資: AI、半導体、核融合、量子技術、防衛などの「国家プロジェクト」に巨額の予算を投じます。これにより、関連企業には長期的な注文が約束され、設備投資や雇用を増やす動機が生まれます。
  • 国土強靱化(防災・減災): 老朽化したインフラの更新や全国的な防災工事を加速させます。これにより建設業を中心とした国内需要を底上げします。
  • 供給力の強化と表裏一体: 面白いのは、政府が「供給力(AIやエネルギー)を強化するための投資」を行うこと自体が、そのまま「機材や人材への需要」になるという点です。

2. 家計の購買力向上(減税と給付)

消費の主役である家計が「もっとお金を使える」状態にします。

  • 減税措置: ガソリン税の暫定税率廃止(トリガー条項の凍結解除)や、所得税・法人税の投資減税などを通じて、手元に残る現金を増やします。
  • 社会保障の不安払拭: 将来への不安が貯蓄に回ってしまうのを防ぐため、社会保障制度の安定性を示し、現役世代が「使っても大丈夫」と思える環境を作ります。

3. 金融緩和の維持(低金利環境)

お金を借りやすく、使いやすい状態をキープします。

  • 投資コストの抑制: 低金利が続くことで、企業は設備投資の資金を安く調達でき、個人は住宅ローンを組みやすくなります。
  • インフレ期待の醸成: 「将来、物価や賃金が上がる」という予想を定着させることで、「今買ったほうが得だ」「今投資したほうが利益が出る」という行動を促し、需要を先送りさせないようにします。

なぜこれが「高圧」になるのか?

これらの政策によって需要が供給を上回ると、以下のようなサイクルが回ります。

  1. 「人手不足・モノ不足」が発生する(需要過多の状態)
  2. 企業は需要を取りこぼさないために、**「賃金を上げて人を確保する」「最新設備を導入して効率化する」**必要に迫られる。
  3. 結果として、労働者の所得が増え、さらに消費(需要)が増える。
  4. 企業は「投資して正解だった」と確信し、さらに次の投資を行う。

懸念点とハードル

需要を強く押し上げる過程で、以下のリスクも指摘されます。

  • インフレのコントロール: 需要が強すぎて過度な物価高(インフレ)になった場合、金利を上げざるを得なくなり、景気に冷や水を浴びせる可能性があります。
  • 実質賃金の上昇: 物価の上昇に賃金の上昇が追いつかない期間が長引くと、家計が悲鳴を上げ、需要が逆に冷え込むリスクがあります。

高市政権の戦略は、**「政府が強力な需要を作り、民間企業が必死に供給力を高める(投資・昇給する)まで追い込む」**という、攻めの姿勢が特徴です。

<アベノミクスでは財政出動は行われなかったのですか>

「アベノミクスでも財政出動は行われたのではないか?」という疑問は、非常に鋭い視点です。

結論から申し上げますと、アベノミクスにおいて財政出動は「三本の矢」の第二の矢として掲げられており、実際に行われました。 しかし、リフレ派や積極財政派の視点からは**「不十分だった」「途中で緊縮に転じてしまった」**と批判されることが多いのが実情です。

なぜ「行われなかった」ように見える(あるいは批判される)のか、その理由を3つのポイントで解説します。

1. 「当初」は大規模だった

アベノミクス開始直後の2013年度には、約10兆円規模の大型補正予算が組まれ、公共投資などが積極的に行われました。この時期は、金融緩和(第一の矢)とセットで強力なエンジンがかかっていました。

2. 消費増税による「ブレーキ」

アベノミクスの期間中に、2度の消費増税(2014年の8%への引き上げ、2019年の10%への引き上げ)が行われました。

  • 積極財政派の主張: 「せっかく財政出動で需要を作っても、増税でそれ以上の需要を削ってしまったら意味がない」
  • 結果: この増税が強い「ブレーキ」となり、第一の矢(金融緩和)の効果を打ち消してしまったという見方が一般的です。

3. プライマリーバランス(PB)目標の維持

安倍政権下でも、財務省が重視する「2025年度までのプライマリーバランス黒字化目標」は撤回されませんでした。 そのため、毎年の予算編成では「無駄を削る」「赤字を増やさない」という力が常に働き、リフレ派が理想とするような**「デフレから完全に脱却するまで出し続ける」**という徹底した財政出動は実現しませんでした。


高市政権との違い

ここが「高市政権」との決定的な違いになります。

  • アベノミクス: 「金融緩和(日銀)」が主役で、財政は増税も行うなど「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる」と批判されました。
  • 高市政権(サナエノミクス): 金融緩和は維持しつつ、**「PB黒字化目標を凍結」してでも、戦略的な分野へ「より大胆かつ継続的に」**財政を出すことを明言しています。

つまり、高市氏は**「アベノミクスでやり残したこと(徹底した財政出動による需要創出)を完遂する」**というスタンスをとっているため、相対的に「アベノミクスでは(十分な)財政出動が行われなかった」という文脈で語られることが多いのです。

<戦略的分野とはどんな分野ですか?また早く需要が求められるようになるものですか>

高市政権(サナエノミクス)が掲げる「戦略的分野」とは、単に景気を良くするためだけのバラマキではなく、**「日本の国力(供給力)を根本から高め、かつ安全保障に直結する分野」**を指します。

具体的にどのような分野か、そしてそれらが「すぐに需要を生むのか」について解説します。

1. 戦略的分野の具体例

主に以下の4つの柱が中心です。

  • 次世代技術(AI・半導体・量子・核融合)
    • 世界的な覇権争いの中、日本が自前で供給能力を持つための分野です。特に「ラピダス」への支援に象徴される半導体などは、莫大な国費が投じられます。
  • エネルギー安全保障(SMR・再エネ・核融合)
    • 電力不足は製造業の首を絞めます。小型モジュール炉(SMR)の開発や、次世代のクリーンエネルギーへの投資です。
  • 防災・減災(国土強靱化)
    • 能登半島地震などの教訓を踏まえ、老朽化したインフラの整備、通信網の多重化、ダムや堤防の強化などです。
  • 防衛力(先端装備・防衛産業)
    • 防衛費の大幅増額に伴う、国内防衛産業の育成や研究開発です。

2. これらの分野は「早く需要が生まれる」のか?

結論から言うと、「即効性のある需要」と「将来の市場を作る需要」の両面があります。

① 即効性(今すぐ生まれる需要)

政府が予算を決定した瞬間に生まれる需要です。

  • 建設・土木: 国土強靱化の予算がつけば、全国の建設会社に発注が行き、資材や作業員の需要が直ちに発生します。
  • 調達・購入: 防衛装備品やIT機材の購入は、メーカーへの即時の売り上げとなります。
  • 賃金への波及: 深刻な人手不足にあるこれらの業界で政府が大きな仕事を出すことで、「給料を上げないと人が集まらない」状況を意図的に作り、所得を底上げします。

② 中長期(将来の需要を約束する)

  • 「呼び水」効果: 政府が「この分野に10年で数十兆円出す」と宣言することで、民間企業が「それなら安心して工場を建てよう」「人を雇おう」と決断します。この民間の投資意欲そのものが巨大な需要となります。
  • サプライチェーンの広がり: 例えば半導体工場が一つできれば、その周辺に化学メーカー、物流、サービス業などの膨大な周辺需要が生まれます。

まとめ:高圧経済とのつながり

高市氏の狙いは、**「国が巨大な買い手(需要家)として市場に居続けること」**です。

民間企業に対し、「これから先、ずっと仕事があるぞ(需要があるぞ)」という確信を持たせることで、企業が貯め込んでいる現金を設備投資や賃上げという形で市場に吐き出させようとしています。

これが、前回説明した「供給を少し上回る需要を維持する(高圧経済)」の具体的なプロセスです。

<次世代技術、エネルギー安全保障の項目を見ると時間がかなり掛かるもののように見えます。>

おっしゃる通り、次世代技術(核融合や量子)やエネルギーインフラ(SMRなど)は、実用化や完成までに10年、20年という長い歳月が必要なプロジェクトです。

しかし、経済政策(高圧経済)の観点から見ると、これらには**「完成を待たずとも、今すぐ需要を爆発させる仕掛け」**としての側面があります。なぜ時間がかかる分野を選び、それがどう需要につながるのか、3つのポイントで解説します。

1. 「投資」そのものが今の需要になる

インフラや技術開発は、完成した時だけでなく、**「作っている最中」**に莫大な需要を生みます。

  • 研究開発費: 数千人規模のエンジニアの雇用、実験施設の建設、スーパーコンピュータの購入など、予算がついた瞬間から「人」と「モノ」への支払いが始まります。
  • 建設需要: 半導体工場や次世代発電所の建設には、鉄鋼、セメント、電子部品、そして膨大な数の建設作業員が必要です。これは「今」の景気を押し上げる非常に強い需要になります。

2. 民間の「アニマルスピリット」を呼び起こす(呼び水効果)

企業が投資を渋るのは「将来、その市場が本当にあるかわからないから」です。

  • 政府のコミットメント: 国が「20年かけてこの分野に投資し続ける」と法律や予算で約束することで、民間企業は「国が買い支えてくれるなら、今のうちに自社でも投資しておこう」と判断します。
  • 先行投資の連鎖: 政府が1兆円出せば、それに付随して民間が数兆円の投資を行う「呼び水効果」を狙っています。この民間の投資行動そのものが、現在の市場における巨大な需要となります。

3. 「将来の供給制約」を今から解消する

高圧経済を維持する上で最大の敵は、需要が増えすぎて起きる**「悪いインフレ(物価だけ上がって生活が苦しくなる)」**です。

  • 供給力の先行確保: 需要が増えても、エネルギーが足りなかったり、技術が古かったりすると、物価だけが上がって経済が止まってしまいます。
  • 長期プロジェクトの意義: 時間がかかるからこそ、今から着手して「将来の供給能力(エネルギーの安価な供給や生産性の向上)」を確保しておくことが、**「安心して需要を増やし続けられる環境」**を支えることになります。

短期と長期の組み合わせ

高市政権の戦略を整理すると、以下のようになります。

  • 短期的な需要創出: 「防災・減災(国土強靱化)」や「防衛装備の調達」「減税」。これらは数ヶ月〜数年単位ですぐに街中にお金が回ります。
  • 長期的な供給力強化: 「次世代技術」「エネルギー」。これらは将来の日本の「稼ぐ力」と「インフレ抑制」を担います。

つまり、「すぐに効く薬(防災・減税)」で今の需要を沸騰させつつ、「将来の体力をつくる(次世代技術)」への投資を今すぐ始めることで、民間に『日本はこれから成長する』という確信を持たせるのが、高市氏の狙う高圧経済の設計図と言えます。

「時間がかかること」を逆手に取って、「長期間、国が投資し続けるという安心感」を市場に与えているのがポイントです。

<日本は人口が減少して需要は減っていってしますとよく言われます>

「人口減少=需要不足」という考え方は非常に一般的で、多くの人が抱く不安です。しかし、高市政権や積極財政派は、この**「人口減少」という逆境こそが、高圧経済によって日本を復活させるチャンスである**と考えています。

なぜ人口が減るのに需要を増やすことが可能なのか、そしてなぜそれが良い結果を生むのか、そのロジックを解説します。


1. 人口減少は「深刻な供給不足」を招く

人口が減ると、消費(需要)も減りますが、それ以上に「働く人(供給)」が激減します。

  • 現状: 街の飲食店が閉まったり、バスの便数が減ったりしているのは、客がいないからではなく、**「働く人がいない(供給不足)」**からです。
  • 高圧経済の視点: この「人手不足」の状態を、政府がさらに需要を出すことで加速させます。

2. 「生産性の向上」という魔法

「人がいないなら、もっと仕事(需要)を増やしたらパニックになるのでは?」と思うかもしれません。しかし、そこが狙いです。

  • 必要は発明の母: 人手が余っている(デフレ)と、企業は安い賃金で人を雇えばいいので、最新の機械やAIを導入しません。
  • 強制的な進化: 逆に、需要が旺盛なのに人が絶対に足りない状況(高圧経済)になると、企業は生き残るために**「AIを導入する」「自動化ロボットを買う」「無駄な作業を徹底的に省く」**という投資をせざるを得なくなります。
  • 結果: これが**「生産性の向上」**です。少ない人数で、以前よりも多くの価値(モノやサービス)を生み出せるようになれば、人口が減っても経済は成長し、一人当たりの所得も上がります。

3. 「一人あたりの需要」は増やせる

「人口」は減っても、「一人あたりの消費額」を増やすことは可能です。

  • 賃金の引き上げ: 高圧経済で企業が人を奪い合うようになれば、賃金は上がります。
  • 消費の質の変化: 所得が増えれば、人々は「より良いもの、より便利なサービス」にお金を使うようになります。一人が使う金額が増えれば、人口減少による需要の減退をカバーできるのです。

4. 外需と戦略分野

また、先ほどお話しした「戦略分野(次世代技術)」は、日本国内だけの需要をターゲットにしていません。

  • 世界を市場にする: 半導体やエネルギー技術、防衛装備などは、世界中で求められているものです。
  • 外貨を稼ぐ: 日本国内の人口が減っても、世界中の需要(外需)を取り込む供給能力を日本が持っていれば、国全体としては豊かになり続けられます。

結論

高市政権の考え方は、**「人口減少を嘆いて縮小(緊縮)するのではなく、人口減少をきっかけに『超効率的な、高付加価値な国』へ作り変える(積極財政・投資)」**というものです。

「需要が減るから投資を控える」というこれまでのデフレマインドを、「需要が足りないから、投資して生産性を爆上げしよう」というマインドへ国家主導でひっくり返そうとしている、と言い換えることもできます。

「人口が減る中で本当に賃金は上がるのか?」といった、より具体的な懸念について深掘りしましょうか?

<日本の1人あたりのGDPがドイツのそれまで向上するとすると日本のGDPはどの程度になるのでしょうか>

もし日本の「1人あたりGDP」がドイツと同等まで向上した場合、日本の総GDPは**約7.2兆ドル(約1,100兆円弱)**という、凄まじい規模に到達します。

これは、現在世界1位の米国、2位の中国に次ぐ、圧倒的な世界3位(あるいは中国に迫る勢い)の経済規模です。具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。


GDPシミュレーション(2025年予測ベース)

現在の日本とドイツには、1人あたりの生産性に大きな開きがあります。

項目日本ドイツ
1人あたりGDP約3.3万ドル約5.4万ドル
総人口約1.23億人約0.84億人
現在の総GDP約4.1兆ドル約4.6兆ドル

計算式: ドイツの1人あたりGDP (54,000) × 日本の人口 (123,000,000人) = 約6.6兆ドル〜7.2兆ドル ※為替レートや推計値により変動しますが、現在の約1.6倍〜1.7倍の規模になります。


なぜ「人口減少」でもこれが可能なのか?

あなたが懸念されていた「人口減少」があるにもかかわらず、なぜこの目標が掲げられるのでしょうか。それは、日本の生産性(1人あたりが稼ぐ力)がドイツに比べて低すぎるからです。

  1. 生産性の伸びしろ: 日本の1人あたりGDPは、現在G7(主要7カ国)で最下位です。これは「能力が低い」のではなく、「非効率な働き方や、投資不足の分野が多すぎる」とポジティブに捉えることができます。
  2. 高圧経済の役割: 高市政権が目指す「戦略的投資」や「高圧経済」は、まさにこの**「1人あたりの生産性」をドイツ並みに引き上げるためのブースター**です。
  3. 人口減 vs 生産性向上: 人口が毎年0.5%減っても、生産性(1人あたりGDP)を毎年2〜3%引き上げることができれば、国全体のGDPは右肩上がりで成長し続けます。

実現した時の世界

日本のGDPが7兆ドルを超えると、以下のような変化が起きます。

  • 圧倒的な国力: 防衛費や社会保障費の捻出が極めて容易になります。
  • 賃金の大幅上昇: 1人あたりの稼ぎが1.6倍になるということは、理論上、国民の平均年収もそれと同等のインパクトで上昇するポテンシャルを持ちます。

まとめ

「人口が減るからダメだ」と諦めるのではなく、**「人口が少ないドイツが、日本より大きな経済規模(総GDP)を持っているのはなぜか?」**を分析し、その差を埋めようとするのが高市政権の積極財政のロジックです。

「ドイツにできて日本にできないはずがない」という強気なスタンスが、サナエノミクスの根底にあります。

この「1人あたりの稼ぎ」を増やすために、具体的に私たちの賃金がどう変わるべきか、といったお話にも興味はありますか?

<バブル崩壊後、日本のGDPはほとんど増えていませんが、他国と同様な率で成長したとすると今のGDP>

もし日本がバブル崩壊後の30年間、他の主要国並みの成長を続けていたとしたら、今の日本の姿は想像を絶するほど巨大なものになっています。

特に米国やドイツなどの他国と比較すると、日本がどれほど「停滞」していたかが数字で浮き彫りになります。


1. もし他国と同じ率で成長していたら(シミュレーション)

1991年から2021年までの30年間の実質成長率をベースに、現在の日本のGDP(約4兆ドル規模)がどうなっていたかを試算すると以下のようになります。

シナリオ30年間の成長率(実績)日本の想定GDP(現在)現在の何倍か
実際の日本約 +24%約 4.1兆ドル1.0倍
ドイツ並み約 +168%約 8.8兆ドル約 2.1倍
米国並み約 +271%約 12.2兆ドル約 3.0倍
  • 米国並みなら: 日本のGDPは約1,900兆円(1ドル155円換算)に達し、中国(約18兆ドル)を追い上げる圧倒的な世界2位を維持していたはずです。
  • ドイツ並みなら: GDPは約1,300兆円を超え、欧州全体を圧倒する経済大国として君臨していたでしょう。

2. なぜこれほど差がついたのか?

他国が成長する中で、日本だけが伸びなかった最大の理由は、高市氏らが指摘する**「デフレ」と「投資不足」**です。

  • 他国の成長: IT革命やデジタル化に対し、国と民間が巨額の投資を行い、生産性を劇的に向上させました。
  • 日本の停滞: バブル崩壊後、企業は借金返済とコストカット(賃金抑制)を優先し、政府も財政再建を意識して支出を抑えました。その結果、**「誰もお金を使わない→モノが売れない→投資しない→給料が上がらない」**というデフレのスパイラルに30年間嵌まり続けました。

3. 高市政権の「逆転」の論理

高市氏が「戦略的投資」や「高圧経済」を強調するのは、この失われた30年間の**「投資不足」という穴を、国家主導の巨大な需要で一気に埋めようとしているから**です。

もし日本が再び他国並みの成長率(年率2〜3%程度)を取り戻せれば、前述の「1人あたりGDPをドイツ並みにする」という目標も、決して不可能な夢物語ではなく、**「かつて持っていたはずの成長力を取り戻すプロセス」**と言い換えることができます。


まとめ

日本が他国並みに成長していれば、現在の経済規模は今の2倍〜3倍になっていた可能性があります。高市政権が目指すのは、この「失われた成長」を、人口減少という逆境下で「生産性の爆発」によって取り戻すという、非常に野心的な挑戦です。

この「失われた30年」を取り戻すために、私たちの生活(手取り給与など)が具体的にどう変わるべきか、さらに踏み込んだお話をしましょうか?

<現在の経済政策と同様なリフレ政策を取っていたいたアベノミクスと同様な経緯、同様なエッカになってしまうことはありませんか。つまり以前とどの程度異なっていて成功するという」さんだんなのでしょうか>

「アベノミクスと同じ結果(=デフレ脱却しきれず、成長も中途半端)に終わるのではないか?」という懸念は、経済学者の間でも最も議論されるポイントです。

高市政権の「勝算」がアベノミクスとどこが異なり、なぜ今回は成功すると考えているのか、その**「3つの決定的な違い」**を整理します。

1. 「財政のアクセル」を最後まで踏み抜く(PB目標の凍結)

アベノミクスが失敗(あるいは不完全燃焼)した最大の理由は、**「金融はアクセル、財政はブレーキ」**という矛盾した動きにありました。

  • アベノミクス: 日銀がどれだけお金を刷っても、政府が「2025年度のプライマリーバランス(PB)黒字化」という目標を掲げ続け、途中で2度の消費増税という巨大なブレーキを踏みました。
  • 高市政権の勝算: 高市氏は**「PB黒字化目標の凍結」**を明言しています。「デフレを完全に脱却し、成長軌道に乗るまでは、財政再建を理由にブレーキを踏まない」という覚悟が、アベノミクスとの最大の違いです。

2. 「高圧経済」による民間の投資引き出し

アベノミクスでは、日銀が供給したお金が企業の内部留保(貯金)に回ってしまい、設備投資や賃上げに十分回りませんでした。

  • アベノミクス: 「期待」に働きかけましたが、実需(実際の注文)が足りず、企業は「本当に景気が良くなるのか?」と疑心暗鬼でした。
  • 高市政権の勝算: 「高圧経済」の考え方を導入します。政府が戦略的分野(AI、防衛、エネルギー等)に直接巨大な需要(注文)を出し続けることで、企業に「投資しないと注文をさばけない」「賃上げしないと人が来ない」という逃げ場のない状況を物理的に作り出します。「期待」ではなく「実需」で攻める点が異なります。

3. 「供給力の強化(投資先)」の明確化

アベノミクスの「第三の矢(成長戦略)」は、規制緩和などが中心で、具体的にどの産業を育てるのかという焦点がぼやけていたという批判があります。

  • アベノミクス: 広く浅く、全方位的な構造改革を目指しました。
  • 高市政権の勝算: **「戦略的な国策」として、AI、半導体、核融合、防災といった、今の日本に欠けている「供給力」のボトルネックを特定し、そこにピンポイントで巨額資金を投下します。これにより、ただお金を回すだけでなく、「生産性を物理的に向上させる」**ことを狙っています。

なぜ今度こそ「成功する」と言えるのか?(勝算の背景)

高市氏側のロジックでは、現在はアベノミクス開始時(2013年)よりも**「成功しやすい条件」**が整っていると見ています。

  1. 世界的なインフレ傾向: かつての「物価が全く上がらない」時代から、世界的に物価が上がる時代に変わりました。デフレマインドを打破する「外圧」がある状態です。
  2. 深刻すぎる人手不足: 以前はまだ「安く人を雇えた」ため、企業は投資をサボれました。今は**「投資(自動化)しないと倒産する」**レベルの人手不足であり、高圧経済の効果が出やすい環境です。
  3. 地政学リスクの顕在化: 防衛や半導体への投資は、単なる「景気対策」ではなく「国民の命を守るための必須事項」となりました。そのため、財務省も反対しにくい大義名分ができています。

結論

高市政権の勝算は、**「アベノミクスの弱点だった『中途半端な財政支出』と『消費増税によるブレーキ』を排除し、国策として巨大な実需を作り続けることで、企業の投資を強制的に引き出す」**という点にあります。

いわば、**「アベノミクスの教訓を活かした、より純粋で強力なリフレ政策の完成版」**を目指していると言えます。

もちろん、この政策には「国債発行が増えすぎて金利が上がったらどうするのか」「円安が進みすぎないか」といったリスクも伴います。そうした副作用についても気になりますか?

<最近の国債利回り、為替の動向を見ていると市場の信認が障害になってくるように思えます。対処をどう考えればいいでしょうか>

おっしゃる通り、現在の「金利上昇(国債価格の下落)」と「歴史的な円安」という状況は、高市政権のような積極財政・リフレ政策にとって、アベノミクス初期にはなかった最大の難所です。

市場が「日本の財政は大丈夫か?」と疑えば、国債が売られ、金利が跳ね上がり、歯止めのかからない円安を招くリスクがあります。高市政権がこの「市場の信認」という壁をどう乗り越えようとしているのか、その対処の論理を整理します。


1. 「財政支出の質」による信認の確保

市場は単に「赤字が増えること」だけを嫌うのではありません。「その借金が成長に繋がらないバラマキであること」を嫌います。

  • 対処: 高市氏は「消費(消えてなくなるお金)」ではなく、**「投資(将来稼ぐ力を生むお金)」**への支出であることを強調します。
  • ロジック: AIや半導体、エネルギーなど、将来の税収増が約束される分野に投資するなら、それは「良い借金」として市場に説明可能です。企業の「設備投資」と同じで、将来の利益(GDP成長)が見込めるなら、信認は維持されるという考え方です。

2. 「対GDP比の債務」を管理指標にする

「借金の絶対額」ではなく、**「経済の規模(GDP)に対して借金がどの程度か」**を重視します。

  • 対処: プライマリーバランス(PB)の黒字化にこだわると、経済が冷え込んでGDP(分母)が減り、かえって借金比率(分子/分母)が悪化します。
  • ロジック: 積極財政でGDPを大きく成長させれば、借金の絶対額が増えても「対GDP比の債務比率」は低下します。市場に対しては「この比率を中長期的に下げる」というコミットメントを示すことで、信認を繋ぎ止めようとします。

3. 金利上昇への対処:日銀との連携

金利が上がると、政府の利払い費が増えることが最大の懸念です。

  • 対処: 急激な金利上昇(悪い金利上昇)に対しては、日銀による**「指値オペ(国債の買い入れ)」**など、金融緩和の枠組みを維持して市場をコントロールします。
  • ロジック: 「景気が良くなって上がる金利(良い金利上昇)」は許容しつつ、投機的な動きによる急騰は日銀が抑え込む。この「政府・日銀の共同戦線」を明確に打ち出すことで、市場の動揺を防ぎます。

4. 円安への対処:供給力強化による「円の価値」復活

過度な円安は輸入コストを上げ、国民生活を圧迫します。

  • 対処: 短期的には為替介入などの手段がありますが、高市政権の本丸は**「日本を稼げる国にする」**ことです。
  • ロジック: 円安の根本原因は「日本の成長期待が低いこと」にあります。積極財政で日本国内に工場が戻り、次世代技術で世界から投資が集まるようになれば、自然と「円」が買われるようになります。つまり、**「成長こそが最大の円安対策」**という立場です。

結論:市場との「対話」が成否を分ける

高市政権の勝算は、市場に**「この政権は本気で日本を成長させる気だ。それなら国債を持っていても損はしない」**と思わせられるかどうかにかかっています。

市場の信認を失わないための最大の「武器」は、実は**「結果(GDPの数字)」を素早く出すこと**です。最初の数年で明確な成長の兆しや賃上げの実績を見せられれば、市場は「信認」を与えます。逆に、数字が出ないまま借金だけが膨らめば、厳しい市場の洗礼を受けることになります。

この「金利と円安」のバランスの中で、具体的に「私たちの家計(住宅ローンや物価)」にどのような影響が出るのか、より詳細なシミュレーションに興味はありますか?

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